| 宇宿允人の世界 |
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座談会〜宇宿音楽に魅せられて〜出席者: 第128回「宇宿允人の世界」プログラムより鈴木 : 私が音楽会にいったきっかけは、名曲喫茶バロックの紹介でした。叔父と二人で行って、とても感激しました。初めは序曲、フィデリオでしたか。音が鳴りだした時、一体こりゃ何だと、今までと全然違うから、ものすごく新鮮な感じ。ドキドキしました。生の演奏会は、十年くらい離れていましたからネ。でも、ブラ−ムスの4番2楽章で、何故か知らないけど涙が出てきちゃって・・・。隣に座ってた叔父が肩をたたいて、こりゃ素晴らしいよとぼそっと言ったのを今も覚えてます。日本のオ−ケストラって中学の頃から好きじゃなかった。ベルリン・フィルや、ウイ−ン・フィルと比較すると「何だこりゃ」(笑)、面白くも何ともないじゃないかって。だから、求めていたものをしでかしてくれた。アアこういうの、あった、すごいって。それがこうじて第九に出演指させていただいて、ますます音楽が好きになりました。坂井 : もともとクラシックは好きだったんですか? 鈴木 : 大好き!中学の頃からLPでカラヤンや、ベ−ムを聴いてた。 坂井 : 僕もそうです。でも音楽を聴いているというより、写真を見て聴いていた、という感じ。カラヤンは冷たそう、ベ−ムは老巨匠、だってそれしか流通してないから。全然解かってなくて聴いてた。生演奏に行きたくても高かったし。学生のとき合唱をやってまして、第九の募集に応じました。歌で入り込めば演奏も生で聞けると、それがきっかけでした。 小西 : 私は演奏会に行って、先生の指揮で第九を歌ったら凄いだろう、と思ったのが最初です。はじめてお宅に伺った時、「良いと思うことであれば、そのために立ち上がってくれ」と居合わせた人におっしゃったのね。それですぐ私も何かやろうと思った。専従ではないけれど、縁の下の力持ちとしてやっています。 坂井 : 第九の話になりますが、初めての練習で衝撃だったのは4楽章。指揮者っていうのは合わせる人、そのためにいると思っていた。ところが最初の所、あれが全然解からない。練習が終わって皆が異口同音に「あれ、わけがわからねえよなあ」って。でもそれで逆に結束するんですね。目から鱗でした。 小西 : 私も最初驚いたのは、大学時代に言われたこと、ピアノの先生に言われたことと、正反対だったことです。先生の言うとおりにしたら驚いた。音楽がどんどん前へいくの。カルチャ−ショックでした。 坂井 : 僕らもアマチュアでも楽典を勉強するんです。そうすると強弱って書いてある。今思うと馬鹿馬鹿しいんだけど、一拍目を強く歌う。だって、そう書いてあるんだもの(笑)。皆も書いてあるから納得して、お互いそうしようぜって(笑)。 小西 : 私もです。でも強弱っていうのは、英語だとアップビ−ト・ダウンビ−トといいますね。先生はビ−トという言葉をよく使われます。 鈴木 : ブラ−ムスをビデオで見て、凄まじいと思った。ともかく、体全体を使って全身全霊でやってる。思いきりがいい、そこが違う。他のオ−ケストラは、指揮者の棒に必死に合わせてる。薬剤師が薬を調合しているような、音楽というより実験やってるみたいですね。そうとしか見えない。第九もしかめっ面して、全然喜びをもって歌っていない。 小西 : TVであるオ−ケストラを見ていた娘が、「この人達何が面白くてやってるんだろう」とつぶやいていたことがあります。 鈴木 : そこが全然違うところでしょう。 小西 : 先生の第九は、私にとってはベ−ト−ヴェンとの初めての出会いだった。各楽章が、あんなに素晴らしいと知ったのは本番のステ−ジ上でした。音は鳴っているのに、底知れない静謐があった。そこから少しずつ、少しずつ音楽が湧いてきて、終章へ向かい的を絞っていく。オケもコ−ラスも白いライトの中、客席は暗い。棒の向こうの暗がりに美しい花園があって、ベ−ト−ヴェンが佇んでいる。そんな感覚に捉えられました。至福という感じでした。 坂井 : 僕は2楽章です。あんないいなんて練習きいて今回初めて解かった。徹底してやってる。先生も時間がないって言いながら、普通だったら流しちゃえばってところなんだろうけど、何度も何度も倒れるんじゃないかっていうくらい。あれは感激した。本当にいまだかつてないほど…。本当にあの練習聴いてほしいと思った。 鈴木 : 音楽ってこんなに豊かに心に響いてくるものかって思うようになった。聴き方が変わってきました。もう何かしながらは聴けない。今までは、趣味できいてた。このテンポでないと駄目だなんて…。先生は一笑に付していたしたけれど、そういう問題ではないんですね。ところで、バッハの時代なんかは音楽会と聴衆は、もっとつながってましたよ。でも今は完全に分離している。Gパンとつっかけで演奏会に行ったっていいじゃないという声もあると聞きましたが、やってるほうは燕尾服です。聴くほうにもそれなりの礼儀はあるんじゃないですか。演奏会は一回限り、聴く側の真剣味といいますか、聴衆だって席がガラガラより埋まっていたほうがいいでしょう。宇宿允人の音楽を愛する人々はそこまでタッチすべきじゃないか。音楽は人の心を癒す、この世界を動かす力がある。そういうところでやっておられるんだから。さてそこで、ファンクラブの話ですね。 坂井 : 先生の音楽を聴かせてもらっているひとりとして、好きで聴き続けている聴衆の一人として、どうしたら聴き続けていけるか、ずっと考えていました。みな手弁当でやってて、運営の難しさとかオ−ケストラの危機とか耳にしてるけど、何とか聴き続けたい。でも一人じゃ何もできない。それならファン同士ささやかでも交流したら何かができるんじゃないか。 小西 : 一人の力は小さいけれど、二人あわせれば倍どころかもっと大きくなる。宇宿允人の世界のお客様はありとあらゆる方面にわたっていますよね。年齢、職業はもちろんのこといつも言っているんですが、政治も宗教も超えて同じ場で同じ空気の中で一緒に音楽を聴く。そうすれば誰も争い事なんかしようと思わなくなる。仲良くしようよってね。 坂井 : いいものは皆に教えたいでしょう、独り占めじゃなくてね。だって分かち合いたいもの、「こんな凄いものあるよ。」って。 鈴木 : ともかく立ち上がりましょう。最初の第一歩を踏み出しましょう。皆さんの連絡を待ってます。
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