| 宇宿允人の世界 |
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「奇才」指揮者、終演間近に〜自前オケ率い16年、宇宿允人氏音楽界に失望、資金も尽き──「神の響き」熱烈愛好家も
「神のような音を出す人」と震える愛好者がいる一方で、団員への暴言は数限りなく、悪評たらたら。
指揮者の宇宿允人さん(63)は、「クラシック界一の奇人」とも言われてきた。 その、自ら率いる交響楽団「フロイデ・フィルハーモニー」の、16年続いた自主公演に幕が引かれようとしている。 「戦後日本の社会の荒廃が行き着くところまで来た。もう私の芸術的な言葉が通じない。死んだも同然だ」。 こんな“遺言”を残し、11日に109回目のコンサートに臨む。 「フロイデ」の2000人を超すファンは、先月、宇宿さんからの手紙に驚いた。 「電力や酸素の供給も途絶え、地球へ帰る船もなく冷えきって、絶望を感じながら宇宙空間をさまよい燃え尽きてチリとなって……。今の私は、そんな『運命』と対峙しております」 緊急の寄付を求める「泣き言」だった。 宇宿さんは東京芸大在学中から近衛秀麿氏の下で指揮法などを学び、NHK交響楽団で首席トロンボーンを10年間務めた後、指揮者に転向した。大阪フィルの専任指揮者から東京に戻り、自前の交響楽団をつくって「宇宿允人の世界」と名付けた自主公演を2カ月に1度催してきた。 しかし、放送局や自治体の専属オケと違い、独立のオケは資金繰りが大変。宇宿さんは「満席になってやっと次の資金が捻出できるかどうかなのに、1度やるごとに2、300万円の赤字。家財を売り払って経費にあててきたが、それも尽きた」という。さらに「団員が私の要求についてこられない。これは戦後日本の教育が失敗したからだ」。 企業スポンサーがついて給料制になった時期もあったが、会社側の経営不振で長続きしなかった。 応援で来たコンサートマスター級の奏者やソリストに対しても、練習で音楽的要求にこたえられなければ子供扱い。評判は口コミで全国を駆けめぐる。音楽ジャーナリズムからも、ほとんど無視されてきた。 「音楽大学で教えることは、すべて間違い。精神性や魂が決定的に欠けている。楽譜の読み方さえ知らん。そんなやつらが音楽界を仕切っているからだめなんだ」とところかまわず叫ぶので、敬遠される。 一方で、評価する人たちも、並の言葉ではない。
新日本フィル名誉首席奏者で、「フロイデ」のティンパニにも参加している山口浩一さん(68)は
音楽プロデューサーの神田正美さん(66)は、「とにかく衝撃的。情感と迫力に驚くしかない」 コンサートのたびに、聴衆からは「帰り道の外の風景が、来た時とは違って見えます」などというメッセージが寄せられる。
今春、東京大学医学部教授を退官したばかりの日本整形外科学会理事長、黒川高秀さん(60)は、
黒川さんは、宇宿さんの危機について語る。
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