知的障害者のレベルに合わせた発表会ではなく、シリーズコンサート「宇宿允人の世界」の緊迫した中に参加するという、今までに例のない思いもよらぬ企画が、参加者の努力と意欲の結晶により、不可能が可能となり大成功をおさめたことにこの上ない歓びを感じます。言葉だけではなく、真の兄弟(ブリューデル)となり、その絆が生み出した感動は、障害者はもとより健常者といわれる一般の人に「驚嘆」という言葉で表現される驚きと希望をもたらしたと確信しております。それは、常々宇宿允人が言っている「やれば出来る・不可能はない」という信念そのものであり、教育の固定概念を拭い去ることの重要性を証明した出来事であったのです。


また、新年を迎えるあたり、今年一年が平穏無事であるように願う一方、日本国内では痛ましい事件が年明け早々から続き、世界情勢も一概に安定に進んでいるようには見えません。特に防衛庁が「省」へと格上げになった事も、極東バランスへ一層の緊張をもたらす要因になるという不安もあります。
ベートーヴェンは、第九「歓喜の主題」に平和への願いと友情の証である愛を、その命題としました。
先頃、EUにルーマニア・ブルガリアの2カ国が加盟を果たしましたが、それが単に経済の発展のみを目指すものではなく、EUが国歌として掲げているその「命題」に恥じることのない、世界平和への礎を担って欲しいと願うばかりです。
さて、来たる4月21日土曜日、東京芸術劇場に於いて第168回公演を開催いたします。新春は皆さまからのアンコールが多く寄せられた、ベートーヴェン交響曲第6番「田園」、交響曲第2番、エグモント序曲を演奏致します。
どうぞお一人でも多くの友人知人をお誘いあわせの上ご来場下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
東京芸術音楽協会